『大人の友情』大人のというよりは思春期の友情っぽい
『大人の友情』読了。
— むっちゃん (@muchan1122) 2022年6月14日
大人のというよりは思春期のといった感じ。
古今東西の友情論。 pic.twitter.com/XtZEV7MTea
引越してきたばかりの私は友達がいなかったので、ついついこの本を手に取ってしまった。
古今東西の友情を事例に「大人の友情論」を語っています。
しかし、私にとってはそれは思春期特有の友情かなって思いました。
正直、期待外れかな。私は”友達”が欲しかったんだ!!笑
詳しくは下の感想で書いているので読んでみてください~
こんな人におすすめ
- 海外の友情ってどんなものか知りたい
- 友情に疲れてしまった
- 人との付き合い方を知りたい
正直、この本を大人になってから友達をつくる手引きかと思って読み進めたら、がっかりするかも。
そう思って読み進めてしまった私が、解説しておきますね。
この本は、欧米に留学していた著者が、日本と欧米の友情の比較や、文学作品の例をだしながら友情とはどんなものか論じていくという本です。
友達付き合いに疲れてしまった人が、友情を客観視するために軽い読み物としても良いです。文章も読みやすいので。
人との付き合い方に困っている人にもためになります。精神分析家として、色んな人の話を聞いている著者の経験には説得力があります。
著者のプロフィール
河合 隼雄
1928年兵庫生まれ
京都大学理学部卒業
1962年スイスのユング研究所留学。日本人初のユング派精神分析家の資格を取得。
京都大学教授、国際日本文化研究センター教授を歴任
臨床心理学者、心理療法家
心に残ったところ
夏目漱石『こころ』の解釈が「同性愛」ではないかと欧米で解釈されているという部分を読んで、
え!?まじか・・・欧米って腐女子やん・・・
ってちょっと笑えました。
けど、おそらく欧米の男性間のノリと比べると、東洋の男性間のノリって違うのかもしれません。
この本によると”先生”と”K”との距離感が近すぎるということが”同性愛”なのではと疑った理由らしいです。
著者は、”白洲正子さんの著書で中原中也の恋人を小林秀雄が奪ったのも
「男同士の友情というものには、特に芸術家の場合には辛いものがあるように思う」と彼女は言う。
そして、その例として、中原中也の恋人を小林秀雄が奪ったのも、本当は小林さんが中原中也を愛していたからで、その恋人はたまたまそこに居合わせたにすぎまい、と語っている。
”先生”と”K”は知らずのうちに同一視し合っていたという解釈は面白いなと感じました。
感想
『大人の友情』というよりは、青臭い友情の例が多かったなという印象。
大人になると友情は淡白になりますからね。
友情の例が著者の留学時代や青年期、『こころ』や『走れメロス』など思春期の心に響くものばかりじゃないか!笑
私、個人の意見としてはもっと大人の友情の例が欲しかったなと。
著者自身、留学時代友達が出来なかったと冒頭にあるので、著者自身、大人になってから友達がいないのではないか?
”友情”という響きはなんとなく気味が悪いですよね。
時には、心強く思う時もあれば、時には自分の身体に絡みついてうっとうしく思う時のある。
私はこの本を読んで、自分のなりの友情の落としどころを見つけようと思いました。
まとめ
結論、この本を読んでも「大人の友情」は分かりません!
だけど、大人の友情は分からないことが分かります!
この本は友情にスポットを当てていますが、根本的に「人付き合いって難しいよな」って思います。
あまり、気負わず人と接するのがいいのかもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました!